せっつ気まぐれ鉄話

テキトーな鉄道考察ブログ。超低頻度不定期更新

北越谷駅のファミマで価格崩壊が起きていた話(駅ナカ小話)

いまや日本全国にあるコンビニエンスストア、略してコンビニ。セイコーマートミニストップ、ポプラなどと言ったコンビニもあるが、だいたいの人ならセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのいわゆるコンビニ3強を思い浮かべると思う。地域にはよるが、まあ3強と言ってもセブンイレブンがいま一番勢力が強いとは思う。

 

ただそんな3強コンビニだが、こと東武鉄道駅ナカ店舗はほぼファミリーマートが独占している。主要駅たる北千住駅池袋駅、大宮駅の東武駅の位置に近いコンビニはもちろんファミマだし、準主要駅の志木駅川越駅新越谷駅にもファミマがある。これにはもちろん理由がある。

元々東武線沿線では東武鉄道の子会社・東武商事がエーエム・ピーエム・ジャパンフランチャイズ契約を結び、沿線や駅ナカam/pmというコンビニを運営してきた(らしい。というのは、主がam/pmが沿線にあったかよく覚えてないため)。しかしこのam/pmがファミマに吸収されたため、2010年にファミマと東武商事で包括提携契約を結び、順次am/pm店舗をファミマに転換した。これが東武鉄道駅ナカコンビニが決まってファミマである理由である。

 

さて、3強コンビニのひとつのセブンイレブンは、特定の地域に集中出店して経営効率を高め小売業のシェア拡大を狙う「ドミナント戦略」を非常に得意とするコンビニである。そんなセブンが駅前というオイシイ立地を見逃すはずもなく、東武鉄道の周辺にはどこも大量のセブンイレブンがひしめき合っている。だが、先も言った通り東武鉄道駅ナカはファミマが独占的に運営してる。だから、セブンイレブンが包囲網を張っているなか、駅ナカの一番オイシイ立地にはファミマが鎮座しているという何とも滑稽な光景が広がっているのである。

 

そんなこんなで東武鉄道駅ナカは決まってファミマだが、そんな東武駅のファミマでも閉店することがある。決して経営悪化とかではない。東武鉄道の高架を補強する工事をするのに、高架下のファミマ店舗含む駅ナカ店舗が支障になってしまうのである。工事は「耐震補強工事」という名目だったと思う。

もちろん閉店しっぱなしではなく、工事が終われば再度同じ駅にファミマがオープンする。今回の主題である北越谷駅もそうである(たぶん)。そんなわけで、閉店していた北越谷駅のファミマは2023年2月28日にリフレッシュオープンを迎え、それに伴って3日間限定で大々的なキャンペーンが行われた。

手元のチラシを見ると、お弁当、おにぎり、サンドイッチ、パスタやうどんなど麺類が50円引き、ファミチキが30円引き、中華まんとクリスピーチキンが20円と書いてあった。そしてお楽しみ袋の販売もやっていた(確か900円相当の洋菓子セットが700円とか、そういうのだったと思う)。このチラシは例のファミマの前や店ナカで店員が配りまくってたチラシなのだが、驚くことにこのチラシ、100円引きクーポンが付いていたのである。そしてさらに驚くべきはその使用条件。

「税込200円以上で使用可能」

モノ売るってレベルじゃねーぞ

なんとこのチラシのクーポン、200円から使用可能というぶっ壊れクーポンだったのである。だから、買い物を200円ちょいに抑えたらほぼ実質的に半額になるというヤバいクーポンだったのである。そんなクーポンの付いたチラシを大量に配りまくり、何ならレジで買い物して使った後に「どうぞお使いください」とクーポン付きチラシのお代わりが来た(さすがに毎回ではなかったが)。ちゃんと利益出てるか不安になるレベルである。赤字覚悟の宣伝キャンペーンにしたってさすがにやりすぎではなかろうか。

ヤバいのはこれに留まらない。このとき、焼き鳥を2本買うと50円引きというキャンペーンをやっていた。焼き鳥はモモ・カワ/塩・タレで4種類とも1本128円、だから2本買うと本来なら256円かかるところを206円で済んだ。そして先のクーポンはこの割引キャンペーンと併用できてしまう。だから、焼き鳥2本買ってクーポンを使うと106円となり、なんと焼き鳥2本買ってるのに1本だけのときより安くなってしまっていたのである。もはや価格のバグである。赤字覚悟の宣伝キャンペーンにしたってさすがにやりすぎではなかろうか。

ただ、この割引キャンペーン関連で面白い一面もあった。この記事を見てる人で、「ファミチキの値段を覚えてる人」はいるだろうか?ファミチキは普段なら220円である。ここで、上記のキャンペーンとクーポンの使用条件を思い出してほしい。「ファミチキが30円引き」、そしてクーポンは「税込200円以上で使用可能」。キャンペーンで割引されたファミチキは190円。そう、クーポンの使用条件たる200円を割ってしまっていたのである。つまり本来なら220円のファミチキだけ買ってクーポン使えば120円の支払いで済んだところ、何か別に買い足さないとファミチキが割引価格で買えなかったのである。もっとも、ファミチキに何か安いもの買って200円を上回ればクーポンを使えてしまうので、赤字覚悟の宣伝キャンペーンにしたってさすがにやりすぎというのは変わらないが。

 

さすがに破格でヤバすぎるので、キャンペーン中は詳細を伏せた方がいいだろうと思って公表しないことにした。もっとも、この噂を聞き付けてわざわざ電車で向かったところで運賃がかかるわけで、定期券ユーザーや近所住みチャリ行動範囲内という人でもない限り100円引きどころか運賃ぶん大損することになるので別に公表してもよかったかもしれない。

 

ところで、東武駅のファミマは東武商事がフランチャイズオーナーである。正確にはその記述は見つけられなかったが、先述の包括提携契約関係のくだりからその可能性は高い。そう、東武商事である。「東武鉄道」の子会社である。そして人というのは不思議なもので、「安い卵を買うために数キロ離れたスーパーまで車を走らせる」という節約行動のはずが本末転倒なことをやる人がいる。まあそうでなくてもこのキャンペーンやリニューアルオープンは人を引き付けるには十分な話題である。もしもこれらの噂を聞き付けて電車で北越谷駅まで行く人がいるとしたら……?もしこれがそこまで考えられていたキャンペーンで、そのうえで東武鉄道本社を巻き込んていたとすれば、これを考えた担当者は相当な策士だろう。

 

余談だが、主はこの期間中にこの北越谷駅のファミマを利用した。労働に備えて弁当を作ったのだが、箸を忘れるというベタでアホなやらかしをしたのである。なのでファミマで適当な買い物をして割り箸を貰おうと考えた。そこにこのキャンペーンである。結果的に、緑茶ボトル1本のはずが思いもよらず2本に増えた。